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人生を変えたマレーシア留学

  • 執筆者の写真: tuatstudyabroad
    tuatstudyabroad
  • 2019年12月27日
  • 読了時間: 10分

更新日:2022年3月24日

初めまして。環境資源科学科4年の吉岡です。


私は2018年にAIMSプログラムを利用して、半年間マレーシアプトラ大学(UPM)に留学しました。

よく聞く話ですが、この留学は私の人生を変えた留学でした。留学は誰がしてもその人の人生と,世界に良いインパクトを与えると思います。もっと多くの農工大生に留学してほしくて、このサイトを始めました。



留学者プロフィール

・名前:吉岡

・留学時の所属:農学部環境資源科学科3年

・進路:農工大大学院(BASE)進学 → 他大学博士課程進学

・留学先:マレーシアプトラ大学(UPM)

・留学期間:2018年8月26日~2019年1月29日


UPM留学


なぜ留学したか

大学一年生の頃は意識高くEDGEプログラム(今の理系研究者ビジョナリープログラム)に参加したり、レポートを必死に書いたりしていましたが、大学二年生にもなるとだらけ始めてしまいました。


そんな中、高校時代の親友が一年間オランダへ留学へ行くといいます。これは負けてられねえ、楽しそうだから行くのもありだわ!という適当な理由でAIMS留学を考え始めます。

でもやっぱり英語しか通じない国で半年間暮らすのは不安... 「3年後期から研究室へ所属してバリバリ研究すれば留学行かなくても充実させられる!」と留学へ行かない言い訳を沢山考えていました。でもやっぱり留学楽しそうだなという気持ちが勝り、AIMS留学へ応募しました。

ちなみに英語はしゃべれませんでした。片田舎から東京へ出てきた、ただの一般家庭出身の大学生です。

学内選抜から留学先決定まで

留学の応募をしてから、先輩に話を聞いて具体的なイメージを描いていきました。けれども、「留学先は学内選抜を通ってから考えればいいよ」と先生に言われ、超でかい総合大学だしUPMはありかなー、程度のことしか考えないまま学内選抜の面接に臨みます。


はい。「なんでUPMなの?」って聞かれましたーー。当然ですよね。その場に「留学先は後で決めればいい」と言った先生がいたので、だってこの人がそう言ってたんだもんと言いたかったですが、そんなこと言えず...


無事に(?)学内選抜を通り、留学自体は決定しました。ちなみにこの学内選抜はガバガバで、応募人数が少なくて(15人以内かな?)面接でちゃんと受け答えができればほぼ100%受かると思います。(今は違うようです!!


UPMに決めた理由

・すべての学部が一つのキャンパスに集まる総合大学である

・キャンパスがでかい

・環境資源科学科みたいな学部学科がある

・マレーシアは3種類の人種が居て面白そう

・マレーシアは結構発展してそう(知らんけど)

という感じです。結構適当ですが最終的にUPMで良かったです。


プトラ大学

UPMの環境学部の校舎


留学準備

留学手続き

留学手続きについて言えることは、とにかく早くやれ!ですね。

UPMは宮下君の留学先とは異なり、EMGSというマレーシアのビザ取得代行サービスを利用してビザ取得を行います。このサービスはアプリがあるくらいに非常に充実しているし、レスポンスも早いしで言うことないです。言われた通りに進めていけば問題ありません。

ただ、こちらのサービスを利用しても、証明写真は厳格な基準があるので、スピード印刷機で印刷した写真は却下されました。ですので、証明写真は最初からカメラ屋さんで綺麗なものを撮ってもらいましょう。


予防接種

予防接種はA型B型肝炎混合ワクチンと腸チフスを立川内科クリニックで打ちました。破傷風、日本脳炎は子供の頃のワクチンが有効だったので打ちませんでした。ワクチン代金は病院によってかなり違うのですが、農工大から近い立川内科クリニックは比較的安いと思います。

狂犬病ワクチンは高いし、噛まれたらどうせ病院へ行かなくてはいけないので打ちませんでしたが、マレーシアで山登りをした際に打っておけば良かったと後悔しました。


英語の勉強

しっかりとはしませんでした。皆さんはしてください(笑)

渡航前に一回自分の英語の発音を基礎から確認しておけば、留学生活がもっと楽になったと思います。

また、科学用語を英語で覚えておけば良かったです。科学用語は日本語の発音と異なるものが多いので、日本で勉強する際は英語の発音を調べながら覚えると良いと思います。例えば、カチオン、アルカン、メタンなど調べてみてください。知ってるのに発音が違うから通じないーっていうことが何度もありました。


留学の目標

留学へ行くまでは、英語の勉強は続けていましたが英語を実際に使うことはほとんどなく、文法は知っているけど話せる状況ではありませんでした。ですので、「英語で学術的なディスカッションができるように、とにかく英語を生活で使いまくる」ことを目標にしていました。


留学中

UPMでの授業

UPMでは4つの理系科目と、マレー語の授業を履修していました(マレー語の授業は手違いで履修失敗しましたが...)。

下に示したのが一週間の授業です。Labと書かれているのは実験の授業です。

留学時間割

この時間割を見ると意外と少ないと思う方も多いと思いますが、課題が非常に多いので最大でも15単位程度にしたほうが良いです。

UPMの授業は全て英語で開講されており、他の一部のAIMS派遣大学のように留学生用のコースもないので、自由に履修できます。理学部、経済学部、熱帯雨林学部、文学部などなんでも履修できます(UPMのメリット!)。もちろん、それが農工大で単位認定されるかは考えないといけませんが。

また、最初は授業が英語で開講されるので聞き取れるか不安でしたが、マレーシア人の英語はそこまで速くないので、98%は聞き取れていました。


Bioremediation

微生物を使った環境浄化の授業。TAT基礎の微生物学みたいな基礎から始めて、実際の環境浄化の方法まで学びました。実験では、大学内の土壌から採取した微生物を培養して、有機物質を分解させる実験をグループで行いました。

微生物を培養

Health risk assessment

化学物質や道路での危険などあらゆる生活の中のリスクを発見、評価して、民衆に伝える方法を学ぶ授業。とってもアクティブな授業で、先生が面白かったしカリスマ性を感じました。実際マレーシア政府のリスクマネジメントに関わっているかなり有力な先生でした。

4人のグループで3回の大きなプレゼンテーションを実施しました。「仕事の中のリスク」という題目のプレゼンテーションでは、実際に仕事現場を観察し、公表されている事故現場のデータを使って分析しました。他にも、グループごとに現地人100人にアンケートを取って、他のグループのデータと合わせて600人のアンケート結果を統計解析するというのも行いました。

もともとは、化学物質の授業かと思って履修したので、あまり興味がありませんでしたがとっても楽しい授業でした。



解析しました


UPMの授業について

UPM(に限らず東南アジアの大学のほとんどに当てはまる?)では、グループディスカッション、フィールドワーク、プレゼンテーション、レポートが非常に重視されていました。5つの授業合計で、プレゼンテーション11回,レポート(実験レポートも含む)15回が課されました。しかもプレゼンテーションは時間制限無しで、質疑応答含め30分程度です。普通に授業を受けるだけで、必然的に英語力は上がっていきます。



※注意点

UPMは農工大よりも大学ランキングが高いから、授業のレベルも高いだろうと思いこんでいましたが、あまり良くない先生も沢山います。他の大学でも言えることだと思いますが、何回か試しに授業に出てみてから、履修する授業を決めてください。私は早い段階で履修を決定させてしまい、後悔しました。Waste water treatmentの授業の先生はかなりひどかったです。


留学生用の寮での生活

UPM内のUPM GUEST HOUSEという留学生用寮に滞在しました。ヤモリが糞をしまくること以外はとっても綺麗で文句なしの滞在先でした。

他の大学の滞在先は、エアコンがなかったり冷水シャワーだったりするところもあるようです。でもUPMは心配いりません。両方ともしっかりあります。

もちろん現地の生活を体験するというのも大事ですが、留学は想像以上のストレスがたまることがあります。できるだけ生活のストレスは排除しておきたいです。

UPM GUEST HOUSE

十分綺麗でした(ベッドが汚いけど笑)


日本では実家から大学へ片道1時間30分かけて通っていますが、UPM GUEST HOUSEから授業を受ける建物まで自転車で4分で通うことができました。そのため、ゆったりと過ごすことができ、毎日8時間程度寝たうえで友人とスポーツをしたり買い物に行ったりするという、日本ではできない生活をしていました。これだけでも、留学した価値がありました(笑)



ルームメイトはドイツ人と他の大学から来た日本人でした。2人とも研究者志望で意識が高く、彼らにインスパイアされたことが何回もありました。ルームメイトの日本人同士でも英語を用いることを決めており、マレーシアに到着して一週間後からは英語だけの生活にシフトできました。

留学のメリットのうちの一つが、志高い仲間に出会えることです。みんな何かを思って留学に来ているので情熱があります。彼らの情熱に触れて自分も頑張ろうと思えたり、忘れていた気持ちを呼び覚ませたりします。また、志高い仲間は面白いイベントやチャンス、人物を知っていることが多いです。そういったものに繋がることができます。



食事

マレーシアの食事は最高です。マレーシアにはマレー系、中華系、インド系の3人種がいるので、色んな種類の食事が楽しめます。ナシゴレンや色んな種類の麺料理、ナンやカレーに日本食などなど。ビュッフェスタイルの食堂も多いです。そして一食150円程度でとても安いです。東南アジアの食事は体に合うか心配な人でも、マレーシアでは(比較的日本人が食べなれている)中華料理がそこらじゅうで食べられるので、心配はいらないと思います。


マレーシアでの旅行

東南アジア留学は生活コストが低いので、浮いたお金で沢山旅行できます。色んな種類の建物、熱帯雨林など楽しめます。





AIMS留学にかかったお金

AIMS留学はJASSOの奨学金が月7万円もらえるので、金銭的負担は低いです。

同じマレーシアへ行った宮下君は色々あって、最終的にプラス10万円で帰国したようですが、結構特殊なほうだと思います。派遣される国、大学、生活のクオリティ、旅行の頻度に依存しますが、おおよそ10万から20万円くらいかかるのかな?

農工大留学

合計23万円の支出

私はかなり旅行へ行ったし、滞在先の費用も他の派遣大学に比べて比較的高めだったので23万円ほどかかりましたが、旅行を少なくすれば10万円ほどの出費で半年間留学できちゃいます。

家計が厳しい人も、10万円ならなんとかアルバイトで稼げますよね。

留学はお金がかかるから...」と言い訳しようとしているそこの君!!その言い訳、使えませんよ!!


留学後の変化

留学の最も大事な部分は,留学後に何をするか,何を変えるかだと思います.


留学へ行く前は、「どうせ日本の普通の企業に入社して片道1時間くらい通勤電車に乗って、帰ってきてもなにもせずに寝るだけが楽しみなサラリーマンになるんだろうなあ」と思っていました。

でも今は違います。本当に幸せな生活はどういうものだろうかを考えながら生きています。国にとらわれないという昔の自分だったらできなかった選択肢が、今は現実的な選択肢へと変わりました。


私は今、研究者になろうと考えています。日本でPhDを取るとなると、大学へ学費を払って無給で労働して取ることになります。月20万円もらえる学振DC1の採用率は20%。日本学生支援機構の第一種奨学金の返還免除率は45%。最近返還免除の割合が引き上げられたようですが、両方とも確実性はありません。

この話をドイツ人にしたら爆笑されました。


「君たちはPhDを取るために金を払うのかい?笑笑笑笑笑」


ヨーロッパやアメリカの大学では、博士課程の学生には給料がでることがほとんどです(実際に研究しているのは学生だから)。さらに、研究室にはテクニシャンや秘書が雇われており、機器や薬品の管理は彼らに任せれば良いようです。研究室の規模も比較的日本より大きいところが多い気がします。


あれ?日本にいる意味無くね??


このグローバル化している地球で、国という概念はそこまで重要ではなくなってきているのです。より幸せに生きられる道、本当に自分が地球に貢献できる場所を世界中から探そう、そう思った私は、真剣に海外でのPhD取得を検討しています。そして、世界から求められる人材になるためにはどうすればよいか模索しています。こういう気持ちになれたのは、このAIMS留学があったからです。


世界ってめちゃくちゃ広いんです。自分がフィットするのは日本じゃないかもしれませんよ。



留学するか迷っている君へ

なによりもまず、留学は楽しい!

ぶっちゃけ農学部生の3年後期はほとんど授業がありません。どうせ週2日くらい大学へ行き、他の日はバイトをしたりダラダラしたりするだけの生活になるのが落ちです。

そんなつまらない半年間より、お金をもらってエキサイティングな体験ができる留学生活のほうが楽しそうじゃないですか?


留学へ申し込む前は、「留学へ行く人は特別な人」と思い込んでいました。

今は、「留学へ行った人が特別な人になれる」と言うことに気づきました。

留学が増えてきたとは言え、今でも留学は少数派です。

普通の農工大生のままで終わるか、そうでない人生を歩むか、選ぶのはあなたです。


農工大留学

勇気出して留学しようよ。

人生変わるよ。

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