マレーシアでのアツイ日々
- tuatstudyabroad
- 2020年2月14日
- 読了時間: 8分
更新日:2020年3月17日
Helo!(=マレー語でこんにちは)
農工大のAIMSセメスター派遣プログラムでマレーシアに派遣されていました、吉田です。留学にはそれぞれのスタイルがある、ということを、私の記事や他の方々の記事を読んで感じていただけると、留学に対するハードルが下がるのではないかと思います。

プロフィール
名前:吉田
派遣時の所属:地域生態システム学科三年
進路:今のところ、農工大大学院?少なくとも就職はしない予定
留学先:プトラ大学 UNIVERSITI PUTRA MALAYSIA(通称UPM)
留学期間:2019/08/26~2020/01/20

なぜ留学に?
ここでは教授陣の前で面接をしているわけではないので、建前ではなく、本音を書きます。笑
まず建前を簡潔にまとめると、
・みんなと同じ環境で過ごすより、異なる環境で過ごした方が、人としてより豊かになれる
・英語の授業を受けることによって英語のスキルアップを狙う
・今までの経験から、異文化理解は体感を伴わないと、自分の中で理解が深まらない
・恵まれた条件で留学できる
というようなことを、書面や面接では述べた記憶があります。
こんなことを表では言いつつ、自分の中では、違う面が大きくて、留学を決めました。端的に言うと、日本での日々に飽きてきたので、海外で半年間過ごしてみたかった、だけです。
いざ文字にすると、大変身勝手な理由ですね。大学入学後は日々色々なことにチャレンジはしていたのですが、それ故に、スケジュール帳を開けば予定がびっしり。一つ一つのことと丁寧に向き合える時間をとれない日々が続いていました。
大学に行っても日々同じようなメンツと顔を合わせ、授業を受け、サークルをする。授業の内容も面白かったですし、友達も人として好きな人たちばかりです。時間的にも、休む間もなく過ごしていたので、無駄な時間は一瞬もなかったです。しかし、その居心地の良さ、平和さ、いつまでも予定が連なる日々に、このまま大学生活こんな感じで終わってしまうのかな…、と良くも悪くも自分の大学生活が見通せてしまいました。見通せた道を歩くのは楽しいでしょうか?人それぞれだと思いますが、私にはとてもつまらないものに感じてしまいました。
地域生態システム学科の森林系に興味がある自分にとって、三年後期の授業を取らないことは、結構大変なことです。しかし、そこを犠牲にしても、留学に行った方が得るものが多そうだ、という直感で、最後は留学に行くことを決めました。したがって、正直なところ、どこの国のどの大学でもよかったのです。ただ、私の、森林・生態系・野生動物といったような興味分野と、フィールド好きという性格から、UPMに行くことになりました。面接で話したことも嘘ではないのですが、大学に申し訳ないくらい、不純な理由ですね。

留学に行くまで
英語の勉強、ほとんどしてないです。マレーシアについても深くは調べてないです。じゃあ何やってたんだ?と言われると、直前まで、好きなこととバイトと授業に追われる日々でした。私は、自分の性格上、確実に毎月の奨学金だけでは留学中は足りないと感じていましたし、留学前にも様々な手続きでお金がかかるので、バイトで稼ぐしかありません。平日日中は大学があるので夜に働き、土日は1日平均13時間は働いていたと思います。他にもサークルでイベントを主催したり、興味のある分野のインターンに行ったり、他研究室の宿泊行事にまで参加していました。笑 今思えば、活力みなぎるゾンビみたいな日々だったと思います。参考になりませんね…

また、留学前は周囲の人に恵まれている、と感じる日々でした。しばらく会えないから、ということで、様々な人からメッセージやプレゼントをいただき、こんな素敵な人たちと過ごせる時間を削って留学することに、少し寂しくなったりもしました。
なかでも一番驚いたのは、同学科で同じ分野の授業を受けている人たちからの色紙とあたたかい見送りです。ほぼ毎日授業を共に受けているだけではなかったようです。自分がいろんな人の日常世界の片隅にでも組み込まれていることが嬉しかったですし、留学中はその人たちの日常から消えてしまうことが寂しい気もします。あたりまえですが、自分がいなくても世界は回るのだなー、と感じつつ、遠く離れていても信頼できる人と巡り合えて幸せだと感じました。留学前から、自分の恵まれている環境に気づけるので、留学おススメです。

留学中
留学生活が始まってすぐはわからないことだらけで、先輩や周囲の人に尋ねる日々が続きます。というか、一人で悩まず、聞きましょう。聞いた方が早いです。日本の常識がそのまま通じるような世界ではないので、先人や現地の人に聞いた方が、確実に物事がスムーズにいきます。聞く人によって言っていることが違うことも多々ありますが、そういう時は数を多くあたるか、自分の直感を信じます。何かの手続きや手順を間違ってしまっても死ぬわけではないので、大きく構えて物事に取り組みましょう。そうしないと精神的ストレスがとてつもなく大きくなってしまうと思います。こういう生活をしていたおかげで、人に聞く、という行為に対して抵抗がなくなりました。

私は留学中、勉強も程々に、国内様々なところを回りました。マレーシアは全州制覇しました!マレーシアは交通費が安いので、慣れてしまえばとても簡単に旅行ができます。節約旅となると、主にバス旅になると思いますが、日本の夜行バスより、寒いという点を除けばかなり快適です。最初の方は友達と一緒に旅行をしていたのですが、途中からはついてきてくれる友達もいなくなり、一人旅をしていました。一人旅だと地域の人々と触れ合う機会が増えて、とても楽しいですよ!マレーシアは何もかもの物価が安いので、やる気さえあれば、日本よりも様々なことにチャレンジしやすい環境だと思います。

授業の内容は、農工大で学んだことばかりでしたが、実習が面白かったです。留学生というだけで、いろんな先生がかわいがってくれます。日本の大学に比べて、先生方との距離感はあまり感じず、友達に近い感覚だと思います。また、ムスリムの方の一日を想像することが日本であったでしょうか?ムスリムの子たちと数日間一緒に寝泊まりするという体験は、日本にいてはできないことなので、とてもいい経験になりました。最先端の知識を求めて留学をするのならば、UPMはおススメしませんが、現地の人との交流、マレーシアの自然に触れあいたい、フィールドが好き、という方にはとてもお勧めします。

食事は、とても充実していたと思います。私は、他の人よりも好き嫌いがなく、許容範囲がとても広いので、マレーシアにある大抵のものは食べられましたし、美味しいと思いました。ただ、ドリアンだけは未だに美味しいとは思えません…マレー料理を食べていると野菜が不足してくるので、その分は自炊でまかなうか、青汁を飲んで補填していました。また、店で出てくる大抵の飲み物は甘いので、日本の緑茶や麦茶の素晴らしさを認識できると思います。食べることが好きな人にはたまらない国です。

美容院事情についても少し。私は、日本にいるときは月に1,2回美容院に通っていました。マレーシアでは二回だけ行った(取り返しのつかない髪形になりたくなかったのでそれ以上行く気が起きなかった)のですが、ショッピングモールにある高い美容院に行っても、街中の安い床屋に行っても、仕上がりに満足はいきません。笑 ので、街中の床屋で十分でしょう。街中だと300円くらいでカットしてもらえます。モールの美容院はその六倍くらいの値段がするわりに、希望通りの髪型にはなりません。髪の毛の手入れや対策は、日本で準備していきましょう。

帰国後あらためて振り返ると
・英語を使うことに抵抗がなくなった
最初は、ネイティブの国じゃないところで英語を学ぶことに対して抵抗がありました。しかし、相手もネイティブではない分、完璧な英語を話しているわけではないので、英語を使うことに対してのハードルが下がり、留学の中盤くらいからは、英語でコミュニケーションをとることにストレスを感じませんでした。

・英語のスキルは上がってない
語彙数が増えたりはしたかもしれませんが、正しい文法で毎回話していたわけではありませんし、発音も矯正されたわけではないので、スキルは上がったというよりか、むしろ少し下がったくらいかもしれません。正しい英語を話さなくても通じるということがわかってしまったので…
・ハクナマタタ精神の加速
ケニアに行ったときに、私の人生の教訓の一つにしようと思っていたのですが、マレーシアでもこの精神は磨かれます。笑 留学中は様々な理不尽なことやトラブルが起きます。そういうことを乗り越えると、どんなことがあってもどうにかなる。大丈夫。と変に自信がついて帰ってくることになるでしょう。油断と紙一重なので危険ではありますが、この精神が足りない心配症の人は結構多い気がします。

・発信することの大切さに気付いた
常に自分でアンテナを張り続けるのは大変です。私はこういうことに興味がある、だとか、こういうことをしたいんだ、と周囲の人に伝えておけば、自分の受信範囲外だったところから、思わぬチャンスが飛び込んでくることがあります。すべてのチャンスを自分で作り出そうとせず、転がり込んでくるチャンスも活用することが、自身の夢に近づくコツなのだと感じました。

伝えたいこと
それぞれ求めるものが違って留学をしているので、その意識の差が、留学先での行動の差を生み出します。たとえ留学に行くことを決めた理由が不純であっても、どういう留学にしたいかは、派遣先決定後に考えても遅くはありません。何かを選ぶということは、その分何かを手放すことです。したがって、何を選ぶかというより、選んだものにどれだけ真剣に向き合えるかの方が重要です。悩んでその道を選んだって、直感的にその道を選んだって、「その道を選んだ」という最終的な結果は変わりません。
つまり私が言いたいのは、悩んでいるくらいなら、留学してみよう!ということです。

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